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うつ症状に季節変動はない?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「うつ症状に季節変動はない?」という報告です。

 冬季の日照時間減少に関連するとされる、季節性情動障害(SAD)と呼ばれる気分障害の存在に疑問を呈する知見が報告された。研究の筆頭著者で米オーバーン大学の研究者は、うつ病には波があり、秋や冬に症状が出たとしても季節の変化が原因とは限らないと述べている。
 米レノックス・ヒル病院の研究者も、SADは「正式な診断」ではないと指摘。大手製薬会社が、新たな層に薬剤を売り込むためにSADという障害をつくり出したのだと説明している。同氏は、うつ病の診断に季節は無関係だとして、前提とする原因が間違っていれば、患者が有効でない治療を継続することにつながるとの見解を示している。
 では、なぜ他の研究では相当な割合の人がSADに罹患していると認められてきたのだろうか?(米国家庭医学会[AAFP]によれば、米国成人の6%が冬季うつ病であり、5人に1人は軽度のSAD症状があるという。)本研究者によると、研究の実施方法や、質問のたずね方が主な原因だという。「また、SADのうつ症状は、非季節性の大うつ病に比べて重症度が低く、春から夏にかけて軽快する傾向がある。そのため、うつ症状のある人全体で抑うつスコアの季節差をみた場合、差がなくても不思議ではない」と同氏は説明する。
 今回の研究では日光曝露の少ない冬季に調査を受けた群と、その他の時期に調査を受けた群の間に、うつ症状レベルに差はみられなかった。さらに、臨床的うつ病患者1,700人だけに対象を絞っても、季節性うつの根拠は認められなかったという。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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