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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「原発労働者のがんリスクは被爆者と同程度?」という報告です。
原子力発電所の労働者について、電離放射線の低線量被曝でも累積線量の増加に比例して固形がんリスクは増加することが明らかになった。また、同リスク増加量は、日本の原爆被害者を対象にした試験結果と比較して高線量被曝の場合と同等であることも示された。米国・ノースカロライナ大学の研究者らが、フランス、英国、米国の原子力産業労働者を対象にした試験のデータを基に検証し明らかにした。
研究グループは、フランス、英国、米国の原子力発電所の労働者など、合わせて30万8,297人について、電離放射線の累積体外被曝量と、固形がん死亡率について調査を行った。フォローアップ中央値は26年、雇用期間中央値は12年、最終フォローアップ時の年齢中央値は58歳だった。
その結果、放射線被曝量増加に従い、がん死亡率の線形増加が認められた。白血病を除く全がん死亡率は、累積被曝量が1Gy増すごとに10年後には48%増大すると推算された。また、すべての固形がんについて、各国において同様の関連が認められた。
累積被曝量と固形がん死亡率との関連は、被曝量が0~100mGyの場合にも、それ以外の被曝量の場合ほど正確ではないものの、同様の関連が認められた。なお、検討について著者は、線量計の性能についてかなり留意したが、計測誤差が生じる可能性は排除できなかったとしている。
そのうえで、「本検討では、長期間の低線量電離放射線曝露と固形がん死亡との直接的な関連を検討した。低線量被曝よりも高線量被曝のほうが危険だと考えられているが、原発労働者のリスクは、日本の被爆者研究からの推算値と同程度だった」と述べ、「長期被曝のがんリスクの定量化は、放射線防護基準を作成するのに役立つだろう」とまとめている。