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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「子供の近視の原因は?」という報告です。
先行研究で、15~22歳の近視/強度近視について出生順との関連を調べた結果、長子のほうが次子以降よりも約10%多いとの報告がある。同関連について英国・カーディフ大学の研究者らは、40~69歳集団について調べ、より上の世代でも同様の傾向がみられるのか、また関連の傾向は「次子以降では親の教育熱心さが低減するから」という仮説によって予測可能なのかを検証した。その結果、仮説を裏付ける結果が得られたという。
検討は、2006~10年のUK Biobank登録者を断面調査して行われた。視力評価を受けており、白人、眼障害なしと自己申告した40~69歳、8万9,120例を特定し、アンケートにて出生順と最終学歴など潜在的な交絡因子情報を調べた。
主な結果は以下のとおり。
・出生順(例:長子 vs.第2子)と近視/強度近視の関連が認められた。危険率は、近視1.12倍、強度近視1.21倍だった。
・学歴について補正後では、出生順と近視/強度近視の関連に関する効果サイズが、約25%減弱し、危険率はそれぞれ1.09倍、1.15倍だった。
・これらのデータから、出生順と近視の関連は、ここ30~40年に派生した新たな環境圧力に起因するものではないことが示唆された。
・また、学歴の影響について補正後の減弱した効果サイズから、次子以降への両親の教育投資の減少が、相対的に近視からの保護につながっていることが裏付けられた。