暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「糖尿病予備群もがんには注意?」という報告です。
糖尿病患者だけでなく、HbA1c値が6.0~6.5%以上など糖尿病の可能性が否定できない、あるいは強く疑われる「糖尿病予備群」でもがんリスクが上昇することが、国立がん研究センターや国立国際医療研究センターなどの検討でわかった。
これまで糖尿病患者では、糖尿病既往のない人に比べてすべてのがん罹患リスクが1.2倍高く、なかでも大腸がんや膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのリスクは1.5~4倍高まることが報告されている。今回、研究チームは糖尿病調査のデータを用いてHbA1c値とがんリスクの関連を検討した。
年齢や性別、体格指数(BMI)、身体活動度などさまざまな因子を調整した解析により、HbA1c 5.0~5.4%群に比べて5.0%未満群(危険率1.27倍)、6.0~6.4%群(同1.28倍)、6.5%以上群(同1.43倍)、既知の糖尿病群(同1.23倍)でがんリスクが上昇しており(5.5~5.9%群の危険率は1.01倍)、糖尿病とは診断されないが糖尿病が疑われるHbA1c高値(6.5%以上)でもがんリスクが上昇することがわかった。また、HbA1cが5.0%未満と低値だった群でもがんリスクのわずかな上昇がみられたが、肝がんを除いて解析するとHbA1c値は直線的にがんリスク上昇と関連していた。
研究チームは、この結果を「慢性的な高血糖がすべてのがんリスク上昇と関連することを裏づけるものだ」としており、この機序として、高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、発がんにつながる可能性があることや、がん細胞の増殖には大量の糖を必要とするため、慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を促進している可能性があることを指摘している。