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肥満パラドックスはやはり、誤り?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「肥満パラドックスはやはり、嘘?」という報告です。
 糖尿病や心疾患などの慢性疾患患者では、標準体重の人よりも肥満や過体重の人のほうが長生きするという、いわゆる「肥満パラドックス」に対する議論が依然続いている。しかし、今回、この肥満パラドックスを支持する研究は信頼性が低いものだとする研究結果が掲載されました。この報告によると、過去の研究では『体重歴』と『喫煙歴』という、肥満に影響を及ぼす2つの重要な因子が考慮されておらず、これが肥満パラドックス現象が生まれた要因だとしている。
 研究を主導した米ペンシルベニア大学の研究者は、「重病の人は死期が近づくと体重が減る傾向にあるが、この事実が肥満パラドックスへの誤った認識を広めるのに多大な影響を及ぼしている」と述べ、喫煙歴については、「健康に有害なのは明らかだが、一方で代謝を増進し体重を減らす作用もある点が、過去の研究では考慮されてこなかった。喫煙者が肥満であるケースは少なく、肥満者の喫煙率は高くないことも影響している」と説明している。さらに、「これら2つのバイアスを調整したところ、調査時点では確認された心血管疾患患者における肥満パラドックスは消失した。この逆説は存在するが、その要因は過体重ではなく、体重歴と肥満歴のバイアスだと言える」と、同氏は結論づけている。
 今回の結果では心疾患患者でも標準体重を維持した対照群では、肥満や過体重の人よりも長生きする傾向がみられ、肥満パラドックスは消失していた。さらに、喫煙歴のない人に限定して解析したところ、試験期間中の死亡リスクは、標準体重の人に比べて過体重や肥満の人で50%も高いことがわかった。米レノックスヒル病院の別の研究者は、「この知見により、肥満パラドックスが単に統計上の誤りである可能性が示された」とコメントしている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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