暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「抗菌石けんも普通の石けんでも除菌に差はない?」という報告です。
普通の石けんと「抗菌」石けんでは、手の細菌を除去する効果に差がないことが、韓国の新たな研究で明らかにされた。抗菌成分のトリクロサンは、細菌を数時間曝露させた場合は普通の石けんよりも強い殺菌作用が認められたが、実際に手を洗う試験では普通の石けんを超える清浄効果は認められなかった。
韓国、高麗大学校の研究者は、「トリクロサンの殺菌効果は曝露する濃度と時間によって決まる」と説明する。しかし、抗菌石けんで手を洗う人の多くは、トリクロサン0.3%(法律で認められた最大濃度)未満の石けんを用い、30秒未満しか手を洗わないため、十分な効果が得られない。
米国食品医薬品局(FDA)によると、抗菌成分として液状石けんにはトリクロサン、固形石けんにはトリクロカルバンが用いられるが、その効果や安全性については疑問の声もあるという。トリクロサンの危険性を示す根拠はないが、動物の研究では正常なホルモン調節を妨げたり、抗生物質耐性に寄与したりする可能性が示されている。
今回の研究では、20種類の細菌株を試験管に入れ、普通石けんと0.3%トリクロサン含有石けんに手洗い時の一般的な温度で曝露させた。9時間以上継続して曝露した場合、トリクロサンには「有意に」強い抗菌性が認められたが、10、20、30秒の曝露では、普通石けんを上回る効果はないことがわかった。追加試験では成人16人が実際に手を洗ったが、いずれの石けんも細菌除去に概ね有効であり、両者の間に有意差はみられなかった。
同研究者は、今回の結果は抗菌石けん製品に関する最終的な結論を示すものではないと強調している。米ニューヨーク大学の別の研究者は、「今回の結果は、普通の石けんでも十分であることを明確に裏付けるものだ」と述べている。