やはり、朝食抜きはダメ？

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「糖尿病患者さんは朝食抜きはダメ？」という報告です。

　以前には朝食摂取比率の高い人ほど体重が増加しにくいという研究が報告されています。しかし，その後に朝食摂取量が多いと，1日の総摂取エネルギーが大きくなるという論文も出ており朝食抜きが良いのかどうかについては明らかになっていませんでした。
　今回さらに新しい研究では朝食抜きという食事法は，1日のカロリー摂取としては明確に3分の2になっていても，血糖管理には全く無効であることを示してくれています。その理由として，朝食を抜くとインスリン分泌が弱く，グルカゴン分泌が多いと報告されています。同様の結果は筑波大学のグループからも報告されており，朝食抜きという食事法が，少なくとも糖尿病治療としては不適切であることが明確になった様です。
　一方，朝食抜きのカロリー制限が体重を増やすかどうかは不明であるにしても，少なくとも朝食抜きが（カロリー制限に成功していても）確実な体重減量法とは言えないことは確かな様です。
　肥満があっても，糖尿病患者に対しては，自信を持って「朝食を食べよう」と言うべきの様です。

＊慶応大学　山田悟先生のコメントを抜粋、改変