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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「CTで細胞障害?」という報告です。
CTスキャンを受けると細胞傷害が生じることが、新たな研究で判明した。ただし、それががんなどの健康問題の原因となるのかどうかは明らかにされていないという。米スタンフォード大学心血管研究所の研究者によると、心疾患への医用画像の利用はこの10年で急増しているという。このような検査による低線量被曝の影響はわかっていないが、現在の技術ではごくわずかな細胞レベルの変化を調べることができる。
今回の研究では、67人の被験者を対象に、心臓CTスキャンの前後に採取した血液を調べた結果、スキャン後は細胞内のDNA損傷や細胞死が増加することがわかった。また、細胞の修復や死滅に関与する遺伝子の発現も増大した。CTスキャンにより損傷した細胞の大部分は修復されるが、ごく一部は死滅すると、研究グループは説明している。
研究の筆頭著者の1人は、「CTによる少量の放射線被曝でも、細胞損傷を引き起こすことがわかった」と述べる一方、それが患者にがんなどの悪影響を及ぼすかは不明だとした。同氏らはこの知見に基づき、医師らはCTスキャンの線量低減のための対策をとる必要があると述べている。今回の研究では、CTスキャンによる被曝線量が最も低かった健康な平均体重の人にはDNA損傷は認められなかった。
今回の研究は放射線によるDNA損傷と将来のがん発症との関連を明らかにするものではなく、可能な限り被曝を最小限にとどめるよう注意する必要があるとの考えを裏付けるものだと同氏は述べている。同研究者は「CTスキャンを排除すべきではないが、線量を低減し、機器や技術を改良し、患者を防護する対策をとることにより、さらに安全なものにできる」と述べている。