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がんに気が付きにくいのは?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「がんに気が付きにくいのは?」という報告です。

 社会経済的地位(SES)が低い人々では、がんが後期のステージで診断されるリスクが高い。これに対してはさまざまに解釈されているが、最近注目されているのは、がんが疑われる症状に関する患者の知識の低さであり、これが治療の遅れにつながるという。英国・サリー大学の研究者らは、実際にがんの典型的な症状を経験している人々における「がんを疑うこと」の差を調査した。その結果、今回対象とされた集団では、全体的にがんを疑うレベルが低かったが、なかでも低学歴の人々でより低かった。このことから著者らは、初期症状の見逃しが診断時のステージの差につながっている可能性があるとしている。
 50歳以上のがんと診断されていない9,771人に、長引く咳や嗄声など、がんを疑う症状10項目を含む症状のリストと共に健康調査票を送付した。回答者に、過去3ヵ月間にいずれかの症状を経験したかどうかを尋ね、もし経験していた場合には「何がそれを引き起こしたと思うか?」と尋ねた。回答として、がんを挙げた場合には「がんを疑った」として点を付けた。SESは学歴により分類した。
 主な結果は以下のとおり。
・半数近くの回答者ががんを疑う症状を経験していたが、考えられる原因として、がんを挙げたのは1,790人中63人だけであった。
・学歴の低さは、「がんを疑うこと」の低さと関連していた。考えられる原因としてがんを挙げたのは、大学教育を受けた回答者で7.3%、大学未満の回答者では2.6%であった。
・多変量解析によると、低学歴は「がんを疑うこと」の低さと関連する唯一の因子であった。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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