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風邪に抗生剤は不要?

佐藤浩明

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上気道炎後の肺炎、咽頭炎後の咽頭膿瘍、中耳炎後の乳突蜂巣炎に対する抗菌薬の予防効果はあったという研究がありますが、これらに対する抗菌薬のNNT(Number Needed to Treat:1人の治療効果を得るために必要な患者数)は4,000以上でした。すなわち4,000人の上気道炎患者に抗菌薬を処方してはじめて1人の肺炎を予防することができるというものです。
別の研究でも非特異的な気道感染症に対して抗菌薬は肺炎による入院を有意に減らしたというものがありますが、これに対するNNTは1万2,255でした。抗菌薬は副作用がない薬ではありませんので、4,000~1万2,000人に投与して1人の肺炎が予防できるといっても、他の患者さんに副作用を強いることになるので、急性上気道炎患者にルーチンとして抗菌薬を処方するのは割に合わないことだと思います。

よく風邪をひくと抗生剤も出して下さいと仰る患者さんがおられますが、この結果を見ると殆ど効果は期待出来ないものと思われます。ただ、風邪症状に引き続いて扁桃腺炎を起こした際には二次感染で細菌感染を被っていることも多く、高熱が持続することもありますので扁桃腺炎に対しては積極的に抗生剤投与を行っています。
 山本舜悟氏(神戸大学 感染症内科)の文章を抜粋し、一部追加

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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