絶対音感は習得できる？

　成人でも訓練により絶対音感を習得し、数カ月間その能力を維持できる。こんな報告が掲載された。米シカゴ大学心理学教室での研究。
　「音を聴いてその高さを特定できる」という絶対音感をもつ人は、1万人あたり1人未満。この能力の習得には小児期の早期からの楽器訓練が重要で、成人になってからでは習得できないと考えられていた。今回の研究はこれに異を唱えるものだ。
被験者は大学生、スタッフ、地域社会の人ら47人で、音楽経験レベルはさまざまだったが、絶対音感をもつ人はいなかった。被験者はさまざまな楽器で演奏した音を特定することを学び、訓練で絶対音感を身につけた。数カ月後の試験でも、その能力はごくわずかに衰えただけだった。なお、2013年の米ハーバード大学の研究では、てんかん薬が絶対音感の学習に役立つ可能性があることが判明したが、今回の研究では薬剤は使われていない。
　同研究者は、「訓練で『絶対音感』が習得できることを示したのは、本研究が初めて。この能力は、頭の中に音を保存するという全般的な認識能力に左右されるようだ」と話す。本研究で得られた3つの重要な知見として、①訓練は薬剤を用いずに可能であること、②聴覚の作業記憶によって音を予測できるようになること、③この訓練効果が数カ月は持続すること、を同氏はあげている。

　絶対音感はある意味、持って生まれた物に近いと考えていましたから...この様に大人になってからの訓練で習得できるというのは意外でした！