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季節の違いが健康に影響?

佐藤浩明

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以前から、特定の疾患は冬季に発生する可能性が高まり、また重症度も高まることは認識されていた。英国の研究で今回、その理由を説明している。遺伝子発現の大部分は時季によって違いがあるため、それによって免疫系、血液そして脂肪組織にさえも影響を与える。
 本研究は、遺伝子発現のおよそ四分の一にあたる5,136種に、時季によって違いがあることを示した。冬季により活発な遺伝子もあれば、夏季により活発な遺伝子もあった。遺伝子発現の変化に合わせて、免疫細胞、血液の組成そして脂肪組織もまた変化する。
 特に印象的だったは、冬季よりも夏季に活発だったARNTL遺伝子の活性である。マウスでの研究では、ARNTLには抗炎症効果がある。ヒトに置き換えた場合、それは炎症レベルが冬季では高いことを暗示し、そのため多くの疾患が冬季により大きな問題となる理由を説明している。
 科学者らはまた、予防接種に対する免疫反応さえも季節によって違いがあることを発見した。免疫反応にとって非常に重要な遺伝子の一部は、恐らくは活動中の細菌に対する耐性をその理由に、冬季でより活発である。そのため、この時期の予防接種の実施が有益である可能性がある、と研究者らは結論を下している。ガンビアでは季節による違いは6月~10月の雨季との相関性があり、その時期中は特に数多くの感染症がより流行している。
 季節により違いのある活性の根底にある機序が何かは未だに明確ではない、と研究者らは述べる。しかし、明らかな可能性としては、日光また外気温といった外部刺激、そしてそれに続く概日時計が挙げられる。これらの結果は、幾つかの疾患の治療法だけでなく、科学的研究の計画実行をも変えるかもしれない。

確かに我々は常日頃このことは感じていましたが、季節により遺伝子発現に違いがあるというのは驚きです!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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