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「同僚の名前が思い出せない」「鍵をおいた場所がわからなくなる」などの加齢に伴う物忘れは、ほぼすべての人が経験することであり、男性では女性よりも物忘れがひどいことが新たな研究でわかった。また、ヒトの記憶力と脳容積は加齢に伴って低下するが、アルツハイマー病を示す脳内の「プラーク」蓄積とはほとんど関係せず、蓄積するかなり前からほぼ全員で記憶力が低下することも示唆されたという。
米メイヨー・クリニックの研究者らが行った今回の研究では、米ミネソタ州で30~95歳の認知症症状のない成人1,200人超に標準的な記憶テストを行い、MRIで記憶に関与する脳の海馬の容積を測定し、PETスキャンでアミロイドの蓄積を調べた。その結果、全体として記憶も脳容積も30歳から60代半ばまで徐々に低下していたが、この期間にアミロイド蓄積がみられた被験者はほとんどおらず、70歳頃まで「アミロイド陽性」の被験者数の大きな増加はみられなかった。アルツハイマー病リスクが平均より高いAPOE4遺伝子変異の保有者では、アミロイドが若年齢でみられ始め、70歳以降に蓄積が急増したが、保有者のほうが記憶力または脳容積の低下が大きいということはなかった。
どの年齢でも男性は常に、女性より記憶力が低く、海馬も小さかった。同研究者は、「APOE4変異の有無よりも男性であることが、記憶に及ぼす影響が大きいとこの結果から示唆される。加齢そのものがアミロイドとは独立して記憶に大きく影響するようだ」としている。



