暑い時の水分補給には何が良いのか?
高齢者における認知症や軽度認知障害(MCI)の発症に、緑茶・コーヒー・紅茶の摂取が影響を与えるのか――。金沢大学の研究グループは60歳超の地域住民の集団ベースによる研究を実施した。その結果、緑茶をまったく飲まない群と比べて、緑茶を週に1~6回飲む群では約5年後の認知機能低下リスクが約1/2に、緑茶を毎日1杯以上飲む群では約1/3に減少した。一方、コーヒーや紅茶ではこのような認知機能低下との関連はみられなかった。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間(平均±標準偏差:4.9±0.9年)における認知症の発症率は5.3%、MCIの発症率は13.1%であった。
・緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、認知機能低下(認知症またはMCIの発症)の危険率は、毎日1杯以上緑茶を飲む群では0.32倍、週に1~6日緑茶を飲む群では0.47倍であった。
・認知症の発症については、緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、毎日緑茶を飲む群の危険率は0.26倍であった。
・コーヒーや紅茶の摂取頻度と認知症・MCIの発症の間には関連は認められなかった。