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食器洗浄機を使用せずに食器を手洗いすると、小児が喘息や湿疹などのアレルギー症状を発症するリスクが低くなる可能性があることが新たな研究で報告された。これは、幼少期に多種類の微生物に曝露することにより免疫系の適正な機能が維持されるとする、いわゆる「衛生仮説」を裏づける最新の知見である。研究の筆頭著者でスウェーデンの研究者は、「食器の手洗いは、食洗機を使用するよりも細菌量を減少させる効果が低いことを示す複数の研究がある。そのため、食器の手洗いが微生物曝露を増大させ、免疫刺激をもたらすことによりアレルギーが低減すると、われわれは推測している」と述べている。
今回の研究では、7~8歳のスウェーデン人の小児1,000人強を対象として、喘息、湿疹および季節性アレルギーの既往について親に尋ねたほか、家庭での食器の洗い方、発酵食品や農場から直接入手した食品を食べる頻度を尋ねた。約12%の家庭が食器を手洗いしており、このような家庭の小児は、食洗機を使用する家庭に比べ、アレルギーを発症するリスクが約半分であることがわかった。食器を手洗いする家庭の小児は23%に湿疹、1.7%に喘息がみられたのに対し、食洗機を使用する家庭ではそれぞれ38%、7.3%であった。手洗いの家庭では季節性アレルギーの比率も低かったが、統計的な有意差はなかった。また、ザワークラウトやキュウリの漬物などの発酵食品を少なくとも月1回食べる小児や、地元の農場から入手した食品を食べている小児は、あらゆるアレルギー疾患になる確率が低い傾向があることもわかった。
米カンザス大学病院の研究者は、今回の研究結果は意外なものではないとする一方、「患者がアトピー性(アレルギー)疾患を発症するかどうかに関与する環境的・遺伝的な因子は多数ある」と述べている。また、感染症を減らすために微生物曝露を低減することによる健康面のベネフィットを考慮することも重要であると同氏は指摘している。