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若者にみられる咽頭炎の5例中1例は、死をもたらす可能性もある細菌が原因となっていることが、新たな研究により示された。この細菌はフソバクテリウム・ネクロホラムと呼ばれ、連鎖球菌性咽頭炎の検査では陰性と判定されることがある。
研究著者で米アラバマ大学の研究者によると、ほとんどの咽頭炎は治療なしで改善するが、発熱、嚥下困難、扁桃腺の腫れを伴う咽頭炎で、連鎖球菌が陰性である場合、抗生物質を処方する必要があるという。15~30歳の若者を対象とした今回の研究では、咽頭炎の20%以上がF.ネクロホラムに起因しており、A群連鎖球菌に起因するものよりも多いことが判明した。
米ハーバード大学医学部の別の研究者は、抗生物質による治療は重篤な咽頭炎に限るべきだと強調し、今回の知見により抗生物質の処方が増えることに懸念を示している。咽頭炎の多くはウイルスに起因するが、抗生物質は細菌感染にしか効果がない。抗生物質を過剰に使用すると、耐性菌の発生につながるほか、重篤な副作用の原因にもなると同氏は説明している。
今回の研究では、F.ネクロホラムの有病率を推定するため、同大学の学生診療所で咽頭炎の治療を受けた学生312人について調べた。この集団を咽頭炎のない学生180人と比較した結果、咽頭炎症状のある群では20.5%にF.ネクロホラムの存在が認められたのに対し、咽頭炎のない群では約9%だった。F. ネクロホラムは最もよくみられる細菌だったという。