暑い時の水分補給には何が良いのか?
12日間の温泉治療プログラムにより、健康な高齢者の疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態が有意に改善したことが示された。スペイン・ハエン大学の研究者らが、52例の高齢者を対象に試験を行った結果、報告した。検討は、スペイン国内の複数の地域から高齢者52例を集め、政府機関が作成した水治療プログラムに参加してもらい評価を行った。参加者に、12日間の温泉治療プログラムを提供し、疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態について評価した。
温泉治療プログラムは、スペイン・ハエンにある温泉付きホテルBalneario San Andresで行われた。同温泉は、スペインミネラル水ハンドブックによると、低温(20℃以上)に分類され、重炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウムを豊富に含む中硬水のアルカリイオン水であった。
主な結果は以下のとおり。
・参加者52例の内訳は、男性23例(年齢69.74±5.19歳)、女性29例(同:70.31±6.76歳)であった。
・温泉療法は、全被験者のすべての変数(疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態)を有意に改善した。
・疼痛の改善については性差がみられた。治療後、男性では有意な改善がみられたが、女性ではみられなかった。
・気分状態の改善についても性差がみられた。女性では抑うつ症状と疲労感の両者で有意な改善がみられたが男性ではみられなかった。
・12日間の温泉治療プログラムは、健康高齢者の疼痛、気分、睡眠の質、抑うつ状態にポジティブな効果をもたらすことが示唆された。