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米国で麻疹(はしか)の根絶が宣言されて15年が経過したが、その再発生は素早いようだ。昨年末にカリフォルニア州から発生した流行により、1月中旬の時点で同州で59人、その他の4州およびメキシコで8人が麻疹と診断されている。最初の流行に直接関わる感染者が新たに出てくる時期は過ぎたが、二次感染の報告は続いている。
この流行の原因は、子どもにワクチンを受けさせない人が相当数いるためだと、米ワクチン教育センターは説明する。米国では有効なワクチンプログラムと強力な公衆衛生システムにより2000年に麻疹が根絶されたが、ワクチンに対する間違った不安のため、接種を拒否する親がわずかながら徐々に増えてきたという。
米エモリー大学教授によると、カリフォルニア州は個人の方針や宗教的理由により予防接種の免除を希望する人の比率が高い地域の1つだという。ワクチンの安全性に関する考え方も大きな理由だが、それ以外にも疾患に対する認識の甘さがあると同氏は述べている。
親がワクチンに不安を抱く大きな原因の1つは、1998年に発表された論文でMMR(麻疹・おたふく・風疹)ワクチンと自閉症の関連が示唆されたことだが、この論文は不正があるとして後に撤回されている。
ワクチンを拒否する人の共通点として、中流上位から上流階級に属し、大学院を卒業し、支配力のある職業に就く人が多いという。米国で最近発生した流行の大部分は、ワクチン接種を受けていない米国居住者が海外に渡航したことなどが発端となっている。麻疹は最も感染力の高い疾患の1つで、空気中のウイルスは感染者が去ってからも2時間その場に留まり、免疫のない人が曝露すれば約90%が感染する。肺炎や脳炎などの重篤な合併症により長期の後遺症が残ることもあり、5,000人に1人が死亡すると推定されている。同氏は、死亡例や入院例がさらに増えれば皆がワクチンを受けるようになるはずだと指摘し、「人々はまだこの疾患を十分に恐れていない」と述べている。