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片足で20秒以上バランスを取ることができない場合、脳卒中のリスクがあることが日本の研究グループにより示されました。片足で立つのが難しいということは、既に脳内で軽度の脳卒中や出血が生じている可能性があり、さらに深刻な脳卒中を起こすリスクが高いという。「片足で立つときに不安定さがみられたり、歩行に問題があったりする場合は、脳の異常や精神機能低下のサインである可能性があるため注意が必要だ」と、研究の筆頭著者である京都大学大学院の研究者は述べている。
脳卒中は凝血や出血により脳の一部への血流が妨げられる病態で、身体障害や死亡の主な原因となっている。今回の研究では、1,400人弱の男女(平均67歳)に1分間片足でバランスを取ってもらい、さらに「無症候性脳卒中」や微小出血を評価するMRIスキャンを実施した。その結果、片足で20秒以上立てない場合、脳内の微小な脳卒中や出血との関連がみられたほか、思考力や記憶力の低下との関連も認められた。
米国の研究者は、「脳の深部にある微小血管の狭窄や閉塞から、小さな脳卒中や微量の出血が起こることがある。このような脳卒中は精神機能低下や認知症の主な原因となり、歩行やバランスの困難、転倒との関連も認められている」と説明し、「今回の研究の著者らは、脳の‘小血管疾患’を反映する簡単なバランス検査を考案した。この検査は高い費用も技術も必要とせず、重度の脳卒中や脳損傷のリスクが特に高い人をスクリーニングできる」と付け加えている。
同氏によると、2カ所以上の軽度脳卒中のある人では約3人に1人、1カ所の脳卒中のある人では16%にバランス障害がみられたという。また、2カ所以上の微小出血のある人では30%、1カ所の出血のある人では15%にバランス障害がみられた。脳血管に障害の認められた人の傾向として、高齢で、血圧が高く、頸動脈が肥厚していた。また、長時間片足で立つことができない人には、記憶力・思考力検査のスコアが著しく低い傾向も認められた。