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何故、大人が子供の感染症に?

佐藤浩明

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先日、米国の元女優で映画監督のアンジェリーナ・ジョリーが水痘のため新作映画のプレミアに出席できないという出来事があった。一方、米国アイスホッケーリーグではおたふく風邪が流行し、選手十数人と審判2人が欠場を余儀なくされた。多くの人は幼少期にこのような小児疾患の予防接種を受けた記憶があるはずだが、なぜ多数の成人がこうした感染症に罹患しているのだろうか。
その原因は主に2つあるという。米国感染症学会によると、米国の一部地域では小児の予防接種率が低下しており、あらゆる人が水痘、麻疹、おたふくかぜ、百日咳などの疾患に曝露するリスクが高くなっているという。また、小児期に予防接種を受けても時間の経過とともに防護効果は弱まってくるため、患者に接触すれば疾患に罹るリスクがあると別の研究者は述べている。

 米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では1980年代前半以降、百日咳が全体的に増加する傾向があるという。今年は昨年の同期間よりも30%多く、この60年でも最も多くなっている。流行性耳下腺炎も今年は昨年に比べ報告が増えており、2006年には近年最悪の流行がみられたと報告している。
 成人がこのような疾患に罹った場合、小児よりも重篤な合併症を発症する確率が高く、死亡率も高い。また、ウイルスにより将来の疾患リスクが増大することもある。例えば、水痘ウイルスは身体内に潜み、後に帯状疱疹を引き起こす。不安のある人は医師に相談すれば、血液検査により免疫の有無を確認できると述べられている。CDCは毎年のインフルエンザ予防接種に加えて、10年ごとに破傷風、ジフテリア、百日咳の追加接種を受けることを勧めている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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