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血液型は脳卒中や心血管疾患,がんなどさまざまな疾患のリスクに関連することが指摘されている。フランス国立衛生医学研究所の研究者らは,同国の女性8万人超を対象とした研究で血液型と2型糖尿病リスクとの関連を検討。その結果,ある血液型の人では,基準とした血液型の人に比べて2型糖尿病を発症するリスクが35%高いことが示された。
糖尿病の家族歴,学歴,運動量,高血圧,喫煙, BMIで調整した分析の結果,O型の女性と比べた2型糖尿病発症の危険率は,A型女性で1.10倍、B型女性で1.21倍で,同リスクが高かった。一方,AB型女性では,統計学的に有意なリスク上昇は見られなかった。
ABO式とRh式の組み合わせで見た場合,万能供血者とされるRh–O型と比べ,最もリスクが上昇した組み合わせはRh+B型が危険率1.35倍であった。次いでRh+AB型1.26倍、Rh+A型1.17倍が続いた。
こうした関連の背景にある機序は不明だが,寄与因子はいくつか考えられる。まず,ヒトのABO遺伝子座が内皮マーカーや炎症マーカーに影響を与えることがこれまでに示唆されている。また,ABO式血液型は,2型糖尿病に関係するとされる複数の分子と関連付けられている。さらに最近の研究では,ABO式血液型は腸内細菌叢全体を規定する因子であり,代謝に影響を与えることから,2型糖尿病にも関連するのではないかと指摘されている。
同研究者は「この研究は,大規模前向きコホートにおいて特定のABO血液型が2型糖尿病リスク上昇に関連することを示した初めてのものである。得られた知見は,血液型が糖尿病リスクに強く関連することを支持している。今後も血液型が糖尿病に与える影響を臨床研究や疫学研究で検討していくべきである。また,O型の人で2型糖尿病リスクが低い理由を明らかにするための病態生理学的研究も必要であろう」と述べている。