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テレビを見過ぎると、大腸がん後の生存率が低下する可能性があるとの研究結果が、米国立がん研究所(NCI)の研究者により報告された。同氏は、「テレビの視聴を1日2時間未満に抑え、運動を1週あたり4時間ほど増やすことが重要だ。この両方に取り組むことが、大腸がん生存者の死亡率低下に関連する」と話している。
同氏らは米国立衛生研究所(NIH)が収集したデータから、1995~1996年に健康とライフスタイルに関する質問票に回答した50~71歳の男女56万6,000人超を抽出した。質問票では、過去10年における中程度~強度の「余暇活動」への参加程度を確認した。この活動には水泳、サイクリング、ゴルフ、有酸素運動などが含まれており、週単位で定期的に行っていることを条件とした。この調査終了から平均で約5年後に、3,797人が大腸がんと診断された。これらの大腸がん患者について分析した結果、診断前の余暇活動が週7時間以上だった大腸がん患者は、余暇活動を行っていなかった患者よりもの死亡リスクが20%低かった。
また、同患者ら3,797人のうち1,759人を対象に、2004~2005年に追加調査を行った。その結果、診断後の余暇活動が週7時間以上だった被験者では、診断前の活動レベルにかかわらず、全死因死亡リスクが31%低かった。さらに、診断前のテレビ視聴時間が週2時間のみの被験者では週5時間以上の被験者よりも全死因死亡リスクが22%低かった。診断後のテレビ視聴が少ない被験者では、統計的に有意ではないものの死亡リスクが低かった。
この研究は「Journal of Clinical Oncology」オンライン版に掲載された。なお、本研究では大腸がん患者のテレビの視聴と運動、生存率の関連が示されたが、因果関係は証明されていない。