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ワクチンの早期接種で減弱?

佐藤浩明

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「インフルエンザワクチンをシーズンの最初に接種すると、シーズン終盤には抗体価が低下してワクチンの効果が期待できない」──。元九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授は、現場の医療者からこのような誤解を耳にすることがあるという。「QOLを改善し周囲への感染リスクを低下させる抗インフルエンザ薬のメリットは大きい」と語る同氏。
 同氏らは、日本臨床内科医会インフルエンザ研究班で、2000/01シーズンから継続的にインフルエンザワクチン接種後のHI抗体価を測定してきた。池松氏は「インフルエンザワクチン接種前、接種2週間後、4週間後、流行期後の約6カ月後にHI抗体価を測定すると、多くの人で半年後もHI抗体価が感染防御水準以上に保たれており、防御効果は十分継続していると考えられる」と語る。ワクチン接種後に抗体価が十分上昇した例では、半年程度は一定水準の抗体価が継続するようだ。
 また、ワクチンを接種した人にありがちな誤解が「ワクチンを接種したのにインフルエンザにかかったのはおかしい」というもの。同氏は「現行のインフルエンザワクチンが、発症を抑制できることは我々の研究からも明らかで、重症化予防も期待できるが、感染そのものを予防する効果には限界がある」と語り、「感染を100%防ぐことができるものではないことを説明しておく必要がある」と強調する。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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