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コラム
インフルエンザワクチンの有用性!
2014年12月4日
最近はどうも医療に関しての不信感が若干、蔓延しつつある様でインフルエンザワクチン接種に関してもあまり臨床経験が多くないとも言われるウイルス感染の専門家の方が『インフルエンザワクチンは打たないで!』と題する書籍を数年前に出版し、ワクチンは劇薬で副作用ばかりで、まったく効かないものだと述べておられる様です。では、本当にインフルエンザワクチン接種には意味がないのでしょうか?この点に関して確実であろうと思われる情報に基づいてお話したいと思います。
まず初めに厚労省のHPの「インフルエンザワクチン季節性インフルエンザと新型インフルエンザ」に関する参考資料によりますと、WHOの公式見解からは現行の不活化ワクチンの接種では、ウイルス感染を防御出来ず、インフルエンザの発症、入院、死亡に対する効果には限界がある。ウイルス感染そのものは抑えることは出来ないが、重症化、肺炎、死亡のリスクを下げることは出来るとあります。さらにワクチンの有効性は100%ではなく、予知できない副作用が出現する可能性もあるが、有効性が十分に確認されたワクチンを少数者に接種するよりも、有効性が多少不十分なワクチンでも多数に接種した方が、社会全体での流行と健康被害に対する抑制効果は高いと記載されています。
では、本当にインフルエンザワクチンはそれ程、有用ではないのでしょうか?実際にインフルエンザワクチン接種で他人への感染性を減らし、集団感染予防に役立つことを「示唆する」論文はありますし、日本の研究でも小児へのワクチン投与が流行を防ぎ、高齢者の死亡を減らすことが示唆されています。いくつかの信頼できる様々な研究を総合すると、65歳以下のインフルエンザ発症のうち、ワクチンを接種すれば70%から90%ぐらいは予防出来るだろうと考えられます。日本においては先程紹介した書籍が論拠の一つとしている1987年の通称前橋リポートが殊更に取り沙汰される傾向がある様ですが、一研究の論拠のみに注目して他の研究は顧みないという態度はあまり科学的とは言えません。
以上の様な事を考慮すれば、今までにインフルエンザに罹患したことがなく、殊更にワクチンの副作用を心配なさるので有れば、ご自身の判断で敢えて接種をしないという選択もありかも知れません。しかし、大多数での確実な証拠ではないにしろワクチンの明らかな有効性を担保するデータは実際には多数存在しますので今シーズンの様にここ数年の中でも早めに流行が始まった時などはワクチン接種をしないことによるデメリットの方が大きいのではないでしょうか?
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