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高齢者が歩きやすい地域に住むと、精神機能低下が遅くなる可能性があることがわかった。この結果は、米カンザス大学での研究で示され、発表された。研究では、思考障害も記憶障害もない高齢者39人および軽度アルツハイマー病を有する高齢者25人を対象に、2年間で、注意力や記憶といった知的技能を評価する一連の検査を行った。研究終了時に、歩きやすい地域に住む被験者では 身体的健康(体脂肪が少なく血圧が低い)、知的技能がともに良好であった。
ただし、今回の研究は、歩きやすい地域に住むことがより良い転帰の直接の原因であることを証明するようにデザインされたものではなく、運動しやすい地域と身体的・精神的健康の改善可能性の関連を示したに過ぎない。また、学会発表された知見は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。
同研究者は、「それでも、今回の研究結果は、高齢者、介護士、医療従事者、建築士、都市設計家に役立つことを示している可能性がある。人が歩くのは、どこかに行くためか、楽しみのためである。歩行の種類によって、近隣の特徴が異なる可能性がある。高齢者では歩行時の安全性が重要な問題であり、これには渡る時間が十分ある信号や、整備された歩道、止まって休めるベンチなどが関与する」と述べている。
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