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再生医療によりアンチエイジングや若返りは可能なのか。コーセー研究顧問の研究者は,高齢者から線維芽細胞の細胞系を培養,さらにそこからから人工多能性幹(iPS)細胞を樹立し,分化能を検討した細胞老化研究から,老化に関与するテロメア短縮が回復した上,皮膚を構成する表皮のケラチノサイトと血管内皮細胞への分化が認められたことを報告しました。
同氏によると,染色体の末端にあるテロメアは,細胞が分裂するたびに短縮していく。50~100回で細胞が分裂できなくなり,いわゆる細胞老化の状態になることが指摘されている。また,個体の寿命はテロメアをより速く消費して短くなる細胞によって決定されることが考えられるという。
そこで,細胞分裂回数とテロメアの長さに着目した同氏は,同一ドナーから,36歳,47歳,56歳,62歳時の上腕内側部の皮膚組織を採取して細胞系を培養して検討した。その結果,年齢が若くなるほど分裂寿命までの分裂回数が多いこと、4つの細胞系のテロメア長を測定した検討では年齢が高くなるのに従い,テロメア長が短縮していることなどが分かった。
また,高齢者になるほど皮膚における老化の諸相が顕著になる一方,心疾患や脳血管疾患による死亡が多くなる。そこで,これらの組織を構成する細胞をiPS細胞から分化させることを試みた。その結果,iPS細胞は表皮細胞や血管内皮細胞へ分化できることが分かった。
同氏は「iPS細胞により初期化する機構を通じて,加齢に伴い短縮していくテロメア長を回復させることで,皮膚や血管が若返る可能性に関する知見が得られた。今後,実用化に向けた研究も進展させていきたい」と述べた。
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