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肺や膀胱,腎,頭頸部のがんは喫煙との関連が強いことが知られる。米国立がん研究所(NCI)の研究者らは,これらの喫煙関連がんを経験した1万5,000例超のサバイバーを含む大規模前向き研究の解析から,診断前の喫煙本数が20本/日以上であった者では,非喫煙者と比べて一次がんとは異なる部位における喫煙関連の二次がん(以下,二次原発がん)のリスクが3~5倍高いことが示されたと報告しました。
米国では喫煙あるいは飲酒が強く関連する部位のがんを経験したサバイバーにおける二次がんの44%が,やはり喫煙や飲酒に関連した部位のがんだと報告されている。しかし,がんサバイバーの喫煙と二次がんリスクに関するデータは少なかった。
二次原発がんの発生数は計866例であった。いずれの群においても初回診断前の喫煙本数が1日20本以上のサバイバーでは非喫煙者に比べて二次原発がんリスクが高く,はI期肺がん群で3.26倍,膀胱がん群で3.67倍,頭頸部がん群で4.45倍,腎がん群では5.33倍に上った。これらの結果は,喫煙(20本/日以上)と一次がんリスクとの関連の強さとほぼ同等であった( 5.41倍)。また,喫煙本数が20本/日未満および初回診断前に禁煙したがんサバイバーにおいても非喫煙者に比べて二次原発がんリスクが高かった。また,腎がん群および頭頸部がん群では喫煙本数の増加とともに二次原発がんリスクが有意に上昇したが,I期肺がん群および膀胱がん群では同様の傾向は認められなかった。
同研究者らは研究の限界として,喫煙の評価ががん初回診断前の状況のみに基づいているため,診断後に禁煙した患者が喫煙者に分類されている可能性があることなどを挙げた上で,「初回のがん診断前の喫煙はがんサバイバーの二次原発がんリスクを高める」と結論付けている。
また,がんサバイバーの中には喫煙を続ける者も少なくない現状に言及した上で「がん患者は,禁煙しなければ治療の合併症や二次原発がん,死亡のリスクが高まることを理解していない可能性がある」と指摘。医療従事者はがん患者に対して禁煙の重要性を強調すべきとの見解を示している。