暑い時の水分補給には何が良いのか?
腸内細菌叢は食事内容や生活習慣、住む環境などに よって左右されることは知られるが、運動の影響は?
アイルランドの研究チームは、プロラグビー選手 40 人(平均 BMI 29)と、年齢や体格などがプロラグビー選手と同等な、同じ地域に住む健康な男性(BMI 25 未満の標準BMI群と同28超の高BMI群、それぞれ23人ずつ)について、運動が腸内細菌叢に及ぼす影響を調べた。コントロール群のうち、BMI 25未満の群は65 種、同28超の群は61種だった。つまり、健康で標準B M Iの男性と比べても、プロラグビー選手群のほうが多様な腸内細菌叢を持っていたということになる。血液検査で筋肉の損傷度の指標となる酵素、「クレア チニンキナーゼ」のレベルを調べると、プロラグビー選 手群では有意に高かったが、炎症性マーカーは標準 BMIのコントロール群よりも有意に低く、代謝が良好であることが分かった。
さらに食事内容を分析すると、 プロラグビー選手は高たんぱくで高カロリーな食事をしているが、野菜や果物も多く摂取し、間食が少ない傾向にあった。一方コントロール群では、たんぱく質の摂取量もカロリーも少ない割には、スナック類の摂取が多い傾向にあった。
つまり、バランスのいい食事をしたうえで激しい運動を行うプロアスリートは、健康で肥満ではない一般男性よりも腸内細菌叢が豊かであるということだ。もちろん、一般人がプロアスリート並みの食事・運動を行うことは現実的ではないが、「元気な腸の維持には、食 事だけではなく運動も強く影響する」と研究者らは考察 している(Gut. 2014 Jun 9. pii:gutjnl-2013-306541.)。
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