暑い時の水分補給には何が良いのか?
高血圧患者の割合と1日当たり歩数などの相関関係を県別に調べると、住民の歩数が少ない県ほど高血圧者率が高いことが分かった。また、歩数の少なさには主な移動手段が車であることが影響していた。和歌山県立医科大学の研究者が日本高血圧学会で発表した。同氏は、和歌山県が収縮期血圧140mmHg以上の高血圧者率で全国ワースト1位となったことの理由を探るため、今回の検討に着手した。
まず検討したのは、県別の年齢調整済み高血圧者率と、県別の1日当たり食塩摂取量、野菜摂取量、飲酒、喫煙、歩数(厚生労働省「国民栄養基礎調査2012」を参照)との相関関係。
調査の結果、県別の高血圧者率と食塩摂取量、野菜摂取量、飲酒、喫煙との間に相関はなく、1日当たりの歩数のみ有意な負の相関があった。すなわち、住民の歩数が少ない県ほど高血圧者率が高かった。大都市を擁する県ほど歩数が多く、高血圧者率が低い傾向もみられた。
次に同氏は、歩数に関連する要因として、住民の主な移動手段が電車であるか、車であるかに着目。県別の「可住地面積100平方km当たり鉄道駅数」を算出して、歩数との相関分析を行った。その結果、県別の鉄道駅数と歩数の間に、有意な正の相関があった。つまり鉄道駅数が多い県ほど県民の歩数が多かった。和歌山県は、軽自動車普及率が全国1位で60.8%に上る。県別の軽自動車普及率と歩数の間には有意な負の相関があった。さらに、県別の軽自動車普及率と高血圧者率の間には、有意な正の相関があった。こうした検討を踏まえて同氏は、「10分以上の継続歩行は心肺機能を高める有酸素運動であり、血圧の上昇が抑制される可能性がある。和歌山県の住民は、車が主たる移動手段であまり歩かないために、その逆のパターンになっているのではないか」と考察した。そして高血圧の予防には、食事や運動のほか、住環境がもたらす影響にも目を向けて住民に啓発を行う必要があるとまとめた。
〒960-8163 福島市方木田字中屋敷1−1 さとうクリニック内科・消化器科 http://satoclinic.net