Mybestpro Members

佐藤浩明プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

小中校生の方が高血圧患者より食塩摂取多い?

佐藤浩明

佐藤浩明

現代人の食事は高ナトリウム,低カリウムに傾きがちで,加工食品の過剰摂取がそれに拍車をかける。加工食品を取る機会は若い世代により多いが,実際,小・中学生の塩分摂取量はどの程度なのだろうか。塩分チェックシートを用いた検討から,塩分摂取量は高血圧患者よりも中学生の方が,さらに中学生よりも小学生の方が有意に多かったことを明らかにし,報告しました。
 対象は高血圧患者120例(平均年齢66±11歳)と小学生208人,中学生374人。塩分チェックシートを用いて塩分摂取量を割り出した。その結果,塩分摂取量は高血圧患者の11.5±4.6点に比べて中学生では13.5±4.5点と有意に高く,さらに小学生では15.9±5.8点と最も高いことが判明(P<0.01 vs. 高血圧患者および中学生)。同研究者は「食塩嗜好性は小児期の早い段階から身に付いたものであることを示唆している」と述べた。
 食事の内容を3者で比較してみると,小・中学生では「うどん・ラーメン」などの汁物の摂取頻度が高く,特に小学生は「せんべい・ポテトチップス」などのスナック菓子を多く取る傾向にあることが分かった。塩分摂取量の性差に関しては,小学生では男女で有意差はなかったが,高血圧患者および中学生では男性の方が有意に多いという結果だった。なお同氏らは,高血圧患者を塩分摂取量の多寡により4群に分け各種パラメータとの関連も検討しているが,身長が高いほど,また体重が重いほど塩分摂取量も多くなる相関は見られた。
 以上のように,小・中学生の塩分摂取量は高血圧患者に比べて有意に多かった。同氏は「小児期から塩分の多い食品を取る頻度を減らして薄味に慣れる必要がある。小・中学生からの減塩指導は将来の高血圧発症予防の面からも重要である」との考えを示し,今後は家庭内の食事の内容についても検討していきたいと締めくくった。
〒960-8163 福島市方木田字中屋敷1−1 さとうクリニック内科・消化器科 http://satoclinic.net

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

佐藤浩明プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼