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がんによる死亡原因の首位を占めている膵がんの発生初期の徴候を特定したと、研究者らが報告した。この発見により、いずれ膵がんを治療可能な段階で早期発見できる新たな検査法が開発される可能性もあるという。その初期徴候とは特定のアミノ酸値の上昇で、患者に症状が表れ、膵がんと診断される時期よりも早い段階で生じる。この知見は、大規模な健康追跡調査に参加した1,500人の血液検体を分析することにより得られたもの。研究著者の1人である米ダナ・ファーバーがん研究所の研究者は、「後に膵がんを発症した人は、膵がんにならなかった人に比べ、分枝鎖アミノ酸の値が高いことを突き止めた」と述べている。
「分枝鎖アミノ酸」は蛋白の構成要素であるアミノ酸の一種。このアミノ酸の値が上昇してから、膵がんと診断されるまでの期間の長さには、2年から25年までの幅がみられたという。「この結果から、われわれは分枝鎖アミノ酸の増大が初期の膵がんの存在に起因するのではないかという仮説を立てた」と、同氏は説明している。さらに研究を重ねた結果、新たに膵腫瘍の形成されたマウスには、分枝鎖アミノ酸値の上昇がみられることがわかった。
「膵管腺がん(圧倒的に多いタイプの膵がん)の患者のほとんどは、診断された時点ですでにがんが進行期に入っており、多くは診断から1年以内に死亡する。発症の早い段階で膵がんを発見できれば、治療の成功率を改善できる可能性がある」と、同氏は説明している。
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