注射のいらないミストワクチンとは？

インフルエンザの予防対策として一番予防に効果があるのはワクチンの接種だろうと思います。インフルエンザワクチンは注射によるワクチンが一般的ですが、鼻にスプレーするタイプのミストワクチンも登場しています。このミストワクチンは鼻にスプレーするタイプですので注射と違い、あの接種時の痛みがないのが最大の特徴ですが、いくつか注意しなければならない点もあります。
　インフルエンザはウイルスが鼻の粘膜に付着することで感染します。このミストワクチンはインフルエンザの生ワクチンを直接鼻にスプレーすることで通常の不活化ワクチンと比べてより高い予防効果を得るために作られたワクチンなのです。では、その効果の程はと言うと一般的な注射で接種する不活化ワクチンの効果は30-50％とも言われますが、2-7歳のお子さんには80％以上の予防効果があるとも言われています。
　通常の注射タイプのワクチンより圧倒的に効果が高いと考えられるミストワクチン、それなら今年こそはこのワクチンをとお思いになる方もいらっしゃるかと思いますが、実はこのミストワクチンは日本では承認されていません。このミストワクチンはアメリカでは10年前から、欧州でも2年前から承認されているのです。日本では独自に輸入した医療機関でのみ受けることが出来ますが、日本では認可されていないので重篤な副作用が起きても国の補償対象にはなりません。このミストワクチンに副作用はないのでしょうか？主なものは接種後3-7日間は40％程度が鼻炎になると言われており、通常のワクチンと同様に風邪症状に似た副作用もあります。また、接種年齢も2-49歳と限られており、妊婦さんや喘息・糖尿病・心肺疾患などの通常なら積極的にワクチン接種が勧められる方々は接種出来ないなどの問題点もあります。
　インフルエンザには手洗い・うがい、食事への配慮などの生活面での対策も可能ですが、この様なミストワクチンでより高い効果が得られるのなら未承認でも接種してみたいと考える方もおられるかも知れません。ミストワクチンをご希望なさる方は上記の様な点を十分に考慮して接種を検討することをお勧めします。
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