暑い時の水分補給には何が良いのか?
明治初期に来日したドイツ人医師・ベルツ博士は、日本の医学教育の貢献した人物であり、「人力車の俥夫(しゃふ)の走力実験」を行った研究者でもあった。この実験には、22歳と25際の二人の俥夫が選ばれ、ベルツ本人が人力車に乗り込み、車を引かせてみた。これは要するに、菜食者と肉食者の、どちらが卓れているのか耐久力実験であり、栄養学がすすめる、肉食を常食としなくても、人間は菜食だけで、十分にやっていけると言う、栄養学の仮説を暴く話なのである。
さて、この実験に参加した二人は、全く同一の飲食物が与えられた。その時、最初に与えられた食物は、白米、イモ、大麦、粟などといった日本古来からの食べ物で、脂肪と蛋白質は少ないが、デンプンの量はかなり多いものであった。この条件下で、体重80kgのベルツを毎日40km、三週間にわたって引かせ、三週間後に、二人の体重を計ると言うものであった。走行が終えて、体重を計ると、一人は体重の増減がなく、一人は半ポンド増えると言う結果が出た。
そこで今度は、二人に牛肉を与え、デンプンの量を減らし、引かせてみる事にした。すると、二人は、三日後、非常に疲れ、肉食では走れないから、肉の量を減らしてくれるように頼んだ。そして肉の量が減り、穀類食が回復されると、再び元気になり、実験後、一人は変わりなく、もう一人は半ポンド減少していた。
ベルツの実験は、「人力車の俥夫(しゃふ)の走力実験」からも分かるように、栄養学に準ずる食事は、人力車の俥夫を僅か三日で疲れさせ、走れなくさせてしまったのである。しかし俥夫達の食事を植物性に戻すと再び元気になり、肉を食べない日本食の方が体質も良くなり、また体力がつくという実例が、人間は、菜食主義を徹底して居る人の方が卓ぐれていると言う事になる。そして、ベルト博士の実験で明白になったことは、食事と耐久力は密接な関係にあるという事である。
やはり、日本人は日本食なのかも?知れませんね...
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