暑い時の水分補給には何が良いのか?
私たちの体は約 60 兆個の細胞でできており、どの細胞 も基本的に同じ遺伝情報を持ちます。しかし、皮膚や 内臓、骨などの異なる細胞に分化するのは、マイクロ RNA の制御などによって DNA のメチル化やヒストン修飾が 起きて遺伝子の発現を調節しているからです。このような DNA の塩基配列変化によらないで遺伝子発現を調節するシステムを解明する学問がエピジェネ ティクスです。この調節システムは、食事や大気汚染、 喫煙、ストレスなどの環境因子によって変化するため、 老化や疾病とも関わっていると言われています。また、妊婦の栄養不良などによる胎児期におけるエピジェネティックな変化が、成長後の 2 型糖尿病、脂質 異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の 原因となるだけでなく、子孫にまで受け継がれることが 明らかとなり注目されています。
最近では、がんや生活習慣病などの発症リスクを知るための遺伝子検査が広まり、 だれでも簡単に遺伝子検査ができるようになりました。遺伝子検査により、疾病の発症リスクを調べることは病気を回避するための有効な手段のひとつではありますが、遺伝情報だけで必ずがんや生活習慣病などの病気が発症してしまうわけではありません。例えば、乳がんになりやすい遺伝子を持っていても、 その遺伝子が実際に発現して、がんへと変化していくか どうかは後天的にエピジェネティックな調節機構が大きく関わります。望ましくないエピジェネティックな変化を起こさない ようにするためには、食生活や生活習慣を正し、ストレ スをためない生活が大切です。そして、エピジェネティ ックな変化が子孫に受け継がれないように、特に妊娠期にはストレスを回避し、過不足なく栄養素を補給する 必要があります。
人の遺伝子は自分では変えることが出来ない...という様に思われていましたが、どうもそうではなさそうです!
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