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認知機能低下で脳卒中の危険増?

佐藤浩明

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高齢者に加齢による記憶力および思考力の低下がみられる場合、脳卒中および死亡のリスクが高い可能性があるという研究結果が報告されました。今回の研究では、65歳を超える米国人7,200人強を対象に、3年ごとに短期記憶、長期記憶、注意力、意識およびその他の精神機能を評価する試験を実施。試験のスコアが低かった群は、スコアが高かった群に比べ、脳卒中になるリスクが61%高かった。精神機能低下のみられる黒人では、脳卒中リスクが白人の5倍だった。また、脳卒中が起きた人では、その後は脳卒中前に比べて2倍近い速度で精神機能が低下した。脳卒中で精神的機能低下も伴った場合、死亡リスクが高くなったという。
 研究の筆頭著者である米ラッシュ大学の研究者は、「高齢者における認知機能の低下は、脳卒中をもたらす可能性がある。一方で、脳卒中が認知機能の急速な低下をもたらす可能性もある。一般的には、認知機能の低下は神経の健康および脳機能の悪化に関連している。神経の健康状態の悪化により、脳卒中をはじめとする数々の健康問題がもたらされる」と、同氏は説明している。これまでの研究から、心血管の健康状態が悪化すると精神機能低下のリスクが高まることが明らかにされているが、精神機能の低下により脳卒中リスクが増大する可能性を示した研究は今回が初めてであると研究グループは述べている。
 この知見から、高齢者の記憶力および思考力を評価することにより脳卒中リスクを有する患者を特定できる可能性が示唆される。ただし、今回の研究では記憶力と脳卒中リスクの関連は認めたものの、因果関係は裏付けられていない。同氏は、「医療の観点からいえば、(思考力および記憶力の)低下は高齢者の神経機能低下および身体の健康状態の強力な指標となるだけでなく、高齢期の脳卒中の指標としても有用である」と述べている。米国では、脳卒中が身体障害の原因の第1位、死亡原因の第4位となっている。

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佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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