暑い時の水分補給には何が良いのか?
ビールがおいしいこの季節。本日は「ビールと骨」についてです。連日の猛暑日についつい飲みすぎてしまいがちですが、アルコールを多量に摂取すると腸管でのカルシウム吸収抑制作用と尿中への排泄促進作用により、骨粗鬆症のリスクが高まるといわれています。そのため、“アルコールは骨に悪い”というイメージをもっていましたが、ビールに含まれる「ケイ素」は骨によいかもしれないという報告がありました。
ある海外の研究では、男性と閉経前女性では、ケイ素の摂取量が多いと腰部の骨密度が高いと報告されています (残念ながら、閉経後女性では相関はみられませんでした)。ビールの タイプ別にケイ素含有量を調べた海外の報告では、ケイ素の含有量が多いのはペールエール、少ないのはノンアルコールビールやライトラガーであることがわかりました。とくに大麦麦芽とホップを多く含むビールはケイ素 が多く含まれるようです。
では、骨のためにビールをたくさん飲めばよいかというと・・・。アルコールは 1 日 0.5 ~ 1 杯くらい(エタノー ル 7 ~ 14g※程度)であれば大腿骨骨折リスクは低くなるとのメタアナリシスの報告もありますが、「骨粗鬆症の 予防と治療ガイドライン 2011 年版」ではアルコールの過剰摂取は骨粗鬆症のリスクファクターとなっており、1 日 3 単 位( エ タ ノ ー ル 2 4 ~ 3 0 g ※ )以 上 の ア ル コ ー ル を 摂 取 す る と 、 骨 粗 鬆 症 性 骨 折 の リ ス ク は 1 . 3 8 倍 、 大 腿 骨 近 位部骨折のリスクは 1.68 倍にも高まるとされています。そして、このリスクはアルコールの摂取量に依存して上 昇するとのことです。
やはり“飲み過ぎは骨にも悪い”ようですね。
※エタノール 30g:ビール大瓶 1 本、日本酒 1.5 合程度
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