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食べ物を魅力的に見せる遺伝子?

佐藤浩明

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肥満者の一部には食べ物を見たときに脳の報酬センターが活性化するような遺伝子変異が認められることが、英ケンブリッジでの検討で分かりました。同研究者らは、同変異がどのようにして、チョコレートのような高カロリーの食べ物を見たときに歓喜や満足を感じる誘因となるかが解明されれば、過食を防止するような戦略の改善につながるのではないかと解説している。
肥満は一般に、過食、運動不足、遺伝の3者の組み合わせによって生じる。肥満につながる遺伝的原因として最も多くみられるのは4型メラノコルチン受容体(MC4R)遺伝子の変異だ。同氏らは研究で、MC4R遺伝子変異のある肥満者8例、過体重あるいは肥満だが同変異のない10例、および正常体重の8例を対象に、機能的MRIで脳画像を撮影し、チョコレートケーキのような食欲をそそる食べ物の写真が脳内の報酬センターをどのように活性化するかを観察した。コメやブロッコリーといった淡白な食べ物、およびホッチキスといった食べ物以外の写真に対する反応とも比較した。
その結果、意外なことに、同年齢・同体重の対象であっても、食欲をそそる食べ物への反応は異なることが分かった。MRI画像上、MC4R遺伝子変異をもつ肥満者と正常体重者では同程度の脳の報酬センターの活性亢進が認められた一方で、同遺伝子変異のない過体重あるいは肥満者では報酬センターの活性は低いままだった。同氏はこの結果について、「食べ物というきっかけに対する脳の反応にMC4R経路が関与し、一部の過体重者ではその活性が低下していることが初めて観察できた。この経路の解明が進めば、口あたりが良く体重を増やす食べ物の過剰摂取を制限する介入法の開発の助けになるだろう」と述べている。

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佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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