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スペインの大学の研究者らは,座位行動(テレビ視聴,パソコン使用,自動車運転)と全死亡リスクとの関連を検証するため若年の健康人を対象とした研究を実施。1日3時間以上テレビを視聴していた若年者では,1日1時間に満たなかった若年者に比べて死亡リスクが倍増した一方で,パソコン使用と自動車運転には関連性が認められなかったとの報告をまとめた。
身体活動量が少ないほど心血管疾患やがんなどの慢性疾患や死亡のリスクが高まることは,これまで国内外の検討で報告されてきた。特に,座位行動はこれらの重要なリスク因子と考えられてきたが,座位行動が一律に全死亡リスクに影響を及ぼすのかどうかは明らかにされていない。そこで,同氏らは,テレビ視聴およびパソコン使用,自動車運転による座位行動の種類別に全死亡リスクを比較検討する研究を実施した。
座位行動のうち,テレビ視聴時間は,年齢および性,喫煙習慣,総エネルギー摂取量,地中海食の遵守状況,BMI,身体活動量で補正後も全死亡と明らかな関連性が認められた。テレビ視聴時間が3時間/日以上の群では,1時間/日未満の群に比べて,全死亡リスクが有意に2倍に増加した。
テレビ視聴時間を解析すると,視聴時間が1日2時間増加するごとの全死亡の危険率は1.40だったのに対し,パソコン使用および自動車運転ではそれぞれ0.96,1.14だった。また,3つの座位行動の合計時間と全死亡リスクには直線的な関連が認められた。以上から,同氏らは「テレビ視聴時間と座位行動の合計時間は全死亡リスクと直接的な関連性を示した。これらの時間を減らすことで死亡率が低下するのか臨床試験での検証が求められる。一方で,パソコンの使用と自動車運転の時間は全死亡リスクの上昇に影響を及ぼさなかった」と結論。また,同氏は「若年者では最近,座位行動,特にテレビ視聴時間が長くなる傾向が見られており,加齢に伴う健康問題に拍車をかけると考えられる。身体活動量を増やし,長時間にわたる座位行動をやめるべきだろう。特にテレビ視聴は1日1~2時間にとどめる必要がある」とコメントしている。