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日常活動の増加でも糖尿病に好影響!

佐藤浩明

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糖尿病患者の運動療法は合併症の存在などから継続困難なことがしばしばである。国立国際医療研究センターの研究者は「積極的な運動ではない炊事,掃除,洗濯などの日常的な活動NEAT(Non Exercise Activity Thermogenesis)は2型糖尿病患者の糖脂質代謝パラメータと負の関連があり,NEATを増やす生活指導が治療に役立つようだ」と報告した。1日のエネルギー消費量は,基礎代謝,食物摂取による熱産生,身体活動による熱産生の3つに分類される。NEATは,身体活動のうちスポーツなどの積極的な運動以外と定義されている。

 同研究者らは,薬物療法を行っていない同院初診の2型糖尿病患者を対象に,質問票を用いてNEATをスコア化。初診時の血液,尿のデータおよび3カ月以内の画像生理データを抽出し,後ろ向きに解析。NEATスコアと糖脂質代謝パラメータとの関連について調べた。その結果,NEATスコアと血清インスリン値についてはスコアが高いほど血清インスリン値が低いという負の相関が見られた。男女別に検討したところ,女性で認められたNEATスコアと腹囲,血清HDLコレステロール(HDL-C)との相関は男性では認められなかった。同氏は「この男女差についてはさらなる検討が必要であるが,質問票の内容は歩行主体ではない身体活動,特に家事に関する項目が多く,男性よりも女性のNEATの評価に適している可能性が考えられる」と述べた。
 同氏は「今回の研究は症例数が少ない研究であり,NEATと糖尿病発症との直接の関連やNEATが糖尿病,高血圧,脂質異常症など代謝性疾患の治療に応用できるかどうかに関しては今後の検討が必要である」としながらも,「積極的な運動療法を行うことができない患者に対して,NEATを増やす生活指導が糖尿病治療の一助となる可能性が考えられた」と結論付けた。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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