暑い時の水分補給には何が良いのか?
30歳以上(最高95歳)の血圧値と12の心血管疾患との関連を分析した結果、どの年齢でも強い相関性が認められ、現状の高血圧治療戦略では生涯負荷が大きいことが明らかにされた。英国のプライマリ・ケア登録患者から抽出した125万例のデータを分析して報告した。調査対象とした12の心血管疾患は、安定・不安定狭心症、心筋梗塞、予測していなかった冠動脈疾患死、心不全、心停止/突然死、一過性脳虚血発作、詳細不明の脳梗塞と脳卒中、くも膜下出血、脳内出血、末梢動脈疾患、腹部大動脈瘤だった。
心血管疾患リスクが最も低かったのは、各年齢群とも、収縮期血圧値90~114mmHg、拡張期血圧60~74mmHgの人で、血圧低値群ではリスクが増大するという証拠はみられなかった。また高血圧の影響は、心血管疾患エンドポイントでばらつきがあり、強く明白な影響が認められる一方で、まったく影響が認められない場合もあった。収縮期血圧高値との関連が最も強かったのは、脳内出血(リスク比:1.44)、くも膜下出血(同:1.43)、安定狭心症(同:1.41)だった。逆に最も弱かったのは、腹部大動脈瘤(同:1.08)。拡張期血圧と収縮期血圧の影響を比較した分析では、収縮期血圧上昇の影響が大きかったのは、安定狭心症、心筋梗塞、末梢動脈疾患だった。一方、拡張期血圧上昇の影響が大きかったのは腹部大動脈瘤であった。
高血圧症の人(血圧値140/90mmHg以上または降圧薬服用者)の30歳時における全心血管疾患発症の生涯リスクは63.3%であるのに対して、正常血圧の人では46.1%だった。同年齢において高血圧は心血管疾患の発症を5.0年早めることが示され、狭心症の発症が最も多かった(43%;安定狭心症22%、不安定狭心症21%)。一方80歳時では、高血圧の影響による発症の早まりは1.6年で、心不全、安定狭心症(それぞれ19%)が最も多かった。
この結果よりやはり、心血管疾患発症予防には血圧の管理が重要と考えられます。