暑い時の水分補給には何が良いのか?
米国では心疾患やがんなど5つの主要な死因によって年間90万人近くが80歳未満で死亡している。米疾病対策センター(CDC)の研究者らは,そのうち2~4割は予防が可能であるとの分析結果を報告しました。
2010年のデータによると,心疾患,がん,慢性下気道疾患,脳卒中,不慮の外傷は,死亡全体の63%を占める米国の五大死因である。ただし,その死亡率は州によって大きなばらつきがある。同氏らは今回,各州における2008~10年の80歳未満の死因を分析。五大死因について,全ての州の死亡率が最低死亡率の州と同等に減少することで予防可能な死亡数を推算した。
その結果,心疾患死亡の34%(9万2,000人),がん死亡の21%(8万4,500人),慢性下気道疾患の39%(2万9,000人),脳卒中死亡の33%(1万7,000人),不慮の外傷の39%(3万7,000人)は予防可能と試算された(図)。なお,同氏らは「ある原因による死亡を予防しても,別の原因によって死亡する可能性があるため,予防可能な死亡数を単純に加算することで全体の予防可能な死亡数を算出することはできない」と付け加えている。
五大死因の危険因子の多くは,個人の行動変容によって回避できるものである。例えば,心疾患では,喫煙,高血圧,高コレステロール,2型糖尿病,質の悪い食生活,運動不足などが修正可能な危険因子として挙げられる。さらに,地域間に見られる社会的,人口学的,環境的,経済的あるいは地理的特性を背景とした格差による危険因子も存在する。今回の分析では,米国内でも特に南東部の州において,五大死因のいずれについても予防可能な死亡数の割合が高いことが明らかになった。