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米国で舌下免疫療法が承認!

佐藤浩明

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米食品医薬品局(FDA)は4月2日,牧草などの花粉に対する目や鼻のアレルギー症状の舌下免疫療法薬を同国内で初めて承認した。同製剤は花粉のアレルゲン抽出物の錠剤。舌下投与によりアレルギー症状の改善が期待される。

 FDAのリリースによると,同薬の適応は「特定の花粉により引き起こされるアレルギー性鼻炎の治療」で結膜炎の合併の有無にかかわらず投与可能とされている。投与対象年齢は10~65歳。同薬を開発した企業のリリースではハルガヤ,柑橘系の果樹,ホソムギなど5種の植物の花粉アレルゲンが含まれている。

 同薬承認の根拠となったのは,米国と欧州で実施された2,500例の患者を対象に含む対照試験。アレルゲンとなる花粉の飛散時期において,アレルギー性鼻炎の症状および治療薬の追加状況などが比較された。1シーズンの検討において,プラセボ群に比べ,実薬群で16~30%の症状改善や追加投薬の減少が確認された。同薬は花粉飛散シーズンの4カ月前から終了まで,1日1回の舌下投与により使用する。

 使用に当たっては,初回投与時に医師の前で服用し,30分の経過観察を行うことが求められている。その場で有害事象の可能性がないことが確かめられた後は自宅での服薬が可能。

 なお,同薬の添付文書にはアナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応の可能性に関する警告欄が設けられる。成人を対象とした臨床試験で最も多く報告された有害事象は耳や口,舌の痒み,唇の腫れや喉の違和感。小児で口腔内の痒みや唇の腫れ,喉の違和感が最も多かった。

日本でもスギ花粉症の舌下免疫薬が近々登場予定
日本でも現在,スギ花粉症に対するアレルゲンを用いた免疫療法薬(商品名シダトレンスギ花粉舌下液)が承認申請中。しかし,3月31日には同薬を開発する鳥居薬品が今年4~5月以降の販売を予定していたにもかかわらず薬価収載を見送ると発表,10月以降の発売を目指すことを明らかにしている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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