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肥満男性がもてない理由?

佐藤浩明

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女性が生理的に受け付けない男性のタイプは千差万別だろうが,一般的に太った男性は敬遠されがちだ。でも,なぜ世の女性は太った男性が嫌いなのか。そこになんらかの生物学的根拠はあるのだろうか。ポーランドでの研究によって,体格指数(BMI)の高い男性では,黄色ブドウ球菌などの細菌が鼻腔・喉粘膜に検出される割合が有意に高かったという。生物学的に見ると,女性が太った男性を敬遠しがちなのは,健康な配偶者選びに一役買っているのかもしれない。

同研究者らは,193例の健康な男女の鼻腔・喉粘膜から細菌の有無を調べた。すると,男女を問わず被験者の54.9%からなんらかの細菌が検出された。そのうち最多の89%を占めたのが黄色ブドウ球菌だった。次に,これら細菌の有無とBMIとの相関を解析。その結果、細菌が検出された男性は,検出されなかった男性よりBMIと体重が有意に高かった。一方,女性の場合,BMI,体重,身長,年齢のいずれとも相関は認められなかったという。

 さらに,実際に呼吸器疾患を起こした頻度は,なんらかの細菌が検出された人と検出されなかった人の間で差はなかったが,実際に呼吸器疾患を起こした男性のBMIは,細菌が検出されなかった男性と比べて有意に高かった。これらの結果は,太った男性は太っていない男性より,感染性の細菌を保有している割合が高く,実際に呼吸器疾患にもかかりやすいことを示している。そしてこれが,女性が本能的に太った男性を避ける生物学的理由ではないかというわけだ。

 一方,女性に関しては興味深いことに,なんらかの細菌が検出された女性は検出されなかった女性より,WHR(ウエスト・ヒップ比)が有意に低かった。WHRが低いということは,おしりが大きく,腰のくびれた,いわゆる“ナイスバディー”。これを,男は美女に気を付けろという意味に取るかどうかはあなた次第だ。

 同氏は,外見的な特徴がなぜ個体としての魅力につながるのかを,生殖適齢期の男女における感染性細菌の有無という観点から説明しようとした最初の研究ではないかとコメントしている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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