暑い時の水分補給には何が良いのか?
インスリンシグナル伝達を阻害する肝臓由来の糖蛋白であるフェチュインAが、糖尿病リスクのマーカーとして浮上している。適度なアルコール摂取がフェチュインA低下に関連しているが、臨床試験によるデータは不足していた。そこで、オランダの研究者らは、適度なアルコール摂取がフェチュインA濃度を低下させるかどうかを検討した。その結果、男性では適度なアルコール摂取によりフェチュインAが低下した。ただし、この関連は女性では認められなかった。
著者らは、3種類の以下の試験を実施した。
1)閉経後女性36人:1日250mLの白ワイン(アルコール量25g)または白ブドウジュースを6週間摂取
2)閉経前女性24人:1日660mLのビール(アルコール量26g)またはノンアルコールビールを3週間摂取
3)若年男性24人:1日100mLのウオッカ入りオレンジジュース(アルコール量30g)またはオレンジジュースのみを4週間摂取
各試験期間後、空腹時の血液サンプルを採取し、データを分析した。
主な結果は以下のとおり。
・血中フェチュインA濃度は、それぞれのアルコール摂取なし期間後と比べ、ウオッカ摂取後の男性で減少していたが、ワイン摂取後の女性やビール摂取後の女性では変化がなかった。
・事後検出力分析により、男性で認められた効果と同様の効果を検出するための統計的検出力は、閉経後女性で30%、閉経前女性で31%であることが示された。
男女での効果の差について、著者らは、介入期間が比較的短かったことや、女性での試験では統計的検出力が低かった可能性を挙げている。