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逆流性食道炎の危険因子?

佐藤浩明

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従来,逆流性食道炎の有病率は欧米で高いのに対し日本では低いとされていたが,肥満者の増加,食生活の欧米化,人口の高齢化に伴い,日本でも増加傾向にある。国立国際医療研究センターの研究者らは今回,逆流性食道炎と生活習慣病,食習慣の関係を男女別に検討した結果,逆流性食道炎は男性では40歳代に多く,女性では50歳以降に増加する傾向があり,男性では禁煙,女性では油料理を控えることと禁酒が重要と報告しました。

 その結果,逆流性食道炎は6.5%;男性8.8%,女性2.5%で,男性に多く認められた。年齢別に見ると,全体および男性はともに40歳代で有意に多く,女性でも40歳代に多く,50歳以降に増加する傾向が認められた。全体,男性ともに9割以上が,女性では全例が比較的軽症例だった。逆流性食道炎の危険因子としては,全体では男性,中心性肥満,メタボリックシンドロームと喫煙が考えられ,男性ではメタボリックシンドローム症候群と喫煙が,女性では飲酒が考えられた。

 女性では腹部肥満と揚げ物など油を使った料理を食べる頻度が高いほど,逆流性食道炎の罹患リスクが高かった。逆流性食道炎が認められた症例の食生活習慣を男女別に検討すると,男性に比べて女性の方が肉よりも魚を食べる頻度が高い傾向にはあるが,油料理の割合や乳製品の割合は男性より高いことが分かった。また,男性の食生活習慣として女性より①肉が多く,魚が少ない②夕食から就寝までの時間が2時間以内と短い人の割合が多い③外食が多い-ことが分かった。

 以上から,同研究者は「逆流性食道炎と診断され,メタボリックシンドロームである場合は,事後指導(栄養指導や運動指導)が重要であると考えられ,特に女性では油料理を控えるよう指導することが有効であると示唆された。さらに男性には禁煙,女性には禁酒指導も重要であると考えられた」とまとめた。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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