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過体重や肥満の高血圧患者は、複数の降圧薬を服用している傾向が高いにもかかわらず、血圧コントロールが不良となるリスクが高いと、研究者らは述べている。そして過体重と肥満は、特に女性において、健康関連QOLに有意な悪影響も及ぼすと報告されている。
12ヵ月以上にわたって降圧薬による治療を受けていた患者のうち、過体重は 46.2%、肥満は 34.5%であった。肥満および過体重の高血圧患者に対する降圧薬治療の平均継続期間は正常体重の高血圧患者よりも有意に長期にわたっていた。さらに、血圧コントロールを達成した患者の割合は、肥満、過体重の高血圧患者が正常体重の高血圧患者よりも有意に低かった。肥満や過体重の高血圧患者が服用している降圧薬の数は正常体重の高血圧患者よりも有意に多く、全体的に 2種類以上の降圧薬を服用している患者の割合が高かったにもかかわらず、このような結果となった。血圧は、肥満の高血圧患者や過体重の高血圧患者が、正常体重の高血圧患者の平均よりも有意に高かった。
「今回の研究結果から、肥満と高血圧の併存は性別に関係なく、また、多剤併用療法の頻繁な利用にもかかわらず、高血圧患者の血圧コントロールの悪化と関連していることが裏付けられた」と研究者らは述べている。また、肥満や過体重の高血圧患者は、正常体重の高血圧患者よりも、冠動脈性心疾患や心不全、糖尿病などを合併している傾向がみられた。
さらに研究チームは、患者の健康関連QOLも評価した。その結果、女性では、肥満や過体重によって全領域に悪影響がみられ、肥満による影響が最も大きいことが判明した。男性では、肥満は全領域に悪影響を及ぼしたが、過体重は身体領域(身体機能、日常役割機能[身体]、体の痛み、活力、全体的健康感)にのみ影響を及ぼし、精神面の健康関連QOLには有意な影響を及ぼさなかった。
これらのことから、「過体重は健康関連QOLを直接的に低下させるだけでなく、血圧コントロールの悪化によって間接的にも低下させる」 と研究チームは結論づけている。