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歯の不具合で認知症?

佐藤浩明

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歯の喪失や歯肉からの出血が中年期の思考能力低下のサインである可能性を、米ノースカロライナ大学の研究者らが報告しました。

 同研究者は「歯の脱落や抜歯が増えるごとに認知機能がやや低下することがわかった」と述べている。歯がまったくない人は歯がある人よりも、また歯が少ない人は歯が多い人よりも、認知機能が低かったという。重症の歯周病についても同じ結果がみられた。

 歯のない人は、歯がある人に比べて記憶力および思考力テスト(単語を思い出す、言語流暢性、数字のスキル)でのスコアが低かった。また、歯が多く歯肉が健康な人に比べ、歯が少ない人や深刻な歯肉出血のある人は、スコアが低いこともわかった。同氏は、歯の健康状態の悪化は食生活の貧しさや、抗酸化物質などのいわゆる「ブレインフード」が豊富な食品の欠乏を反映するものであり、それが認知力の低下にも関係している可能性があるほか、口腔内の健康悪化による特定の食品の回避が認知力低下をもたらしているとも考えられると説明。さらに、歯科疾患、特に歯周病が歯肉だけでなく循環器系全体の炎症を亢進し、最終的に認知機能に影響を及ぼしている可能性もあると指摘し、歯の健康悪化は認識すべき1つの因子であることは確かだと述べている。

 他の研究者は「著者らが指摘するように、全身の炎症が歯の健康と認知力の両方に影響を及ぼしている可能性があるほか、特定の遺伝子が関与している可能性もある。あるいは、単純に認知障害があると歯を十分にケアできないということも考えられる」と指摘。今後すべきこととして、現在50~60代の被験者の追跡調査を継続し、歯の健康に問題があり認知力は正常な人が、今後どの程度認知障害を発症するかを知る必要があると述べている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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