暑い時の水分補給には何が良いのか?
運動が,筋細胞において糖輸送系の細胞膜への移送を促し,血液中の糖分の筋細胞への取り込みを生じさせ,血糖低下作用を示すことはよく知られている。しかし,どのような運動が最も効率よく血糖値を低下させるかについての検討は,今,熱い議論の最中である。
このたび,米ジョージ・ワシントン大学のグループから,1回15分の食後ウォーキングを1日3回するという運動療法が,1回45分のウォーキングを1日1回するよりも血糖改善作用に優れることを示唆するデータが発表されました。
今回の報告では,運動は30分以上連続させた方がよいどころか,細切れで毎食後に分散させて運動をした方が血糖管理には有利であることが示唆された。もはや「30分連続しないと…」という概念は言ってはいけないものになってしまったのかもしれない。「30分連続させてもいいし,させなくてもいい。まずは運動をやることが重要だ」ということである。その点で,本研究は極めて重要なデータだと思われる。
今回の研究結果から,夕食前の運動の有効性が低いとか,15分以上持続した運動では効果が劣るようになるという結論までは導くことはできないことを強調しておきたい。