化学物質管理、何をすればいい?
雨の日の転倒で、会社に約321万円の賠償
雨の日、従業員が屋外階段で滑って転倒。
この事故について、会社に約321万円の損害賠償が命じられた裁判例があります。
従業員にも4割の過失が認められています。
それでも、会社の安全配慮義務違反が認められました。
事故当時、従業員は異動して4日目。
店舗に備え付けられていたサンダルを履き、業務中に屋外階段を使用していました。
階段は雨で濡れると滑りやすく、サンダルも摩耗していたとされています。
でも、私がこの事例で気になったのは、「約321万円」という金額だけではありません。
以前にも同じ場所で事故が起きていた
実は、この事故が起きる前にも、同じ階段で別の従業員が転倒していました。
そして、店長もその事実を把握していました。
にもかかわらず、滑り止めの設置や注意喚起などの対策は行われていませんでした。
裁判所はこうした事情から、会社には事故を予見し、回避することが可能だったとして、
安全配慮義務違反を認めています。
つまり、
「前にもあったけど、大きな事故にはならなかった」
で終わらせてしまったことが、その後の会社の責任にもつながったということです。
「ケガしなかったから大丈夫」で終わっていませんか?
職場では、
「ここ、ちょっと危ないよね」
「前にも○○さんが滑ったよ」
「この機械、ちょっと怖いんですよね」
そんな話が出ることがあります。
でも、実際に大きなケガにつながらなければ、
「今回は大丈夫だった」で終わってしまうこともあります。
今回の裁判例を見ると、そんな小さな出来事や従業員からの声は、
次の事故を防ぐための大切な情報だということがわかります。
何も起きなかったから「問題なし」ではなく、
「次は事故になるかもしれない」というサインかもしれない。
そんな視点で一度職場を見てみることも必要ではないでしょうか。
※裁判例:東京高等裁判所 令和4年6月29日判決(令和3年(ネ)第5712号)
出典:弁護士法人ALG&Associates
「労災で従業員から損害賠償請求されたら?企業の責任や相場などを解説」



