機械式時計(自動巻き・手巻き)の正確さ
「標準電波送信所から送られる電波を受信して正確な時を刻み続ける電波時計」・・・のはずですが 、「時間が合わない」と修理にお持ち込みになられるお客様が増えています。
普及している電波時計の数と比べればたいしたことはないのかもしれませんが、現場ではその対応にかなりの時間を費やしています。
基準位置って何?
たとえば 写真上のキッチンスケール。
ちょうど100gをさしているようですが、レモンの重さは100gなのでしょうか?
ボール(レモンを入れている器)の重さ+レモンの重さ=100gということも考えられますし、あらかじめスケールの上のボールを置いてその状態をゼロに設定してあるのであればレモンの重さは丁度100gになります。針の位置(基準位置)によって表す重さが異なっています。
電波時計も同じように基準位置を元に時刻を表示しています。
「針が短針も長針も真上の12時を指しているときが0時」 で 「それから1時間経った時が午前1時」・・というように。
ところが強い衝撃や磁気などの影響を受けてしまったとき、この基準位置がズレてしまいます。
基準となる位置がズレてしまったのですから何度電波を受信しなおしても時間はず~~~とズレたままになります。
まず、充電。それから基準位合わせ
時間がおかしいなと思ったら、電波時計の殆どがソーラータイプ(光発電)ですので、まずはしっかり充電をしてください。
充電に必要な時間は機種によっても異なりますが、一般的に室内照明が500lx(ルクス)に対して晴天の屋外は100,000lx(ルスス)と言われています。時計の文字盤を太陽に向けて十分に日光浴をしてあげてください。
※夏場は暑くなりすぎないように注意が必要です。
充電しても、電波時計なのに時間が合わないときは「規準位置合わせ」をしてみましょう。
規準位置合わせの方法(自分で頑張ってみる)
ここで、こうすればいいですよ!!
とお伝えしたいところですが、その方法は搭載されている機械によってことなります。お買い求めの際についてきた取り扱い説明書にはかならず「規準位置合わせの方法」が記載されているはずです。
「取り扱い説明書なんてどこかにいってしまった!」というのであればメーカーのホームページから品番等で検索して「規準位置合わせの方法」を見つけだしてください。
説明書の通りやってみたら、一晩おいて様子をみることが必要です。殆どの機種は夜中に電波を受信して時間を調整しますので、「規準位置」がズレたままでしたら、翌朝時間がズレてしまっています。
規準位置合わせ(お店に頼む)
私どものような時計店に時間合わせを依頼される場合。
お店さんによっては店頭では時間調整をせず、全てメーカー送りにされるところもありますし、店頭で時間合わせをしてくれるところもあると思います。結構手間がかかりますので有料としているお店が多いようです。
磁気・衝撃に注意
とにかく、時計にとっては磁気は大敵です。
携帯電話、パソコン、ハンドバックのマグネット、エアータオルなど磁気があるものは意外と身近にあります。
これらのものに10cm以上時計を近づけないことが一番の対処方法です